5秒追加のペナルティを受けてしまったワケ

2024.05.31

自分の本来のステージは大人のモータースポーツを謳う「ロードスターマスターズ」だと思っている。年齢的にも身体障害がある点においても、背伸びせずにモータースポーツを生涯楽しむためにマスターズレースに出続けようと考えている。しかし前回総合優勝をしたことで、その上のパーティレースで自分がどの程度走れるのか知りたくなった。

また親しいU選手やA選手から一緒に出ようと誘われたこともあって、今季第2となる55日に筑波サーキットで開催されパーティレースクラブマンクラスに初参戦することにした。果たして今の僕が通用するのか・・・。

パーティレースはマスターズと違い、れっきとしたJAF戦なのでルールが厳しい。装備品のチェックがあり、キャンバー角や重量、排気ガスまで計測される。違反すれば失格となる。

現役のときも当然こうしたことはあったのだが、それはメカニックやチームスタッフがやってくれていて、ドライバーは走りに集中できるような体制づくりが行われていた。マスターズはこうしたチェックやレース車検がないので、今の自分でも対応できていた。一方、JAF戦のパーティレースではやることが多いうえ、そのすべてを自分で確認しなければならない。U選手やA選手が世話を焼いてくれたが、彼らも自分のレースがあるから任せきるわけにはいかない。

さらにピットと車両保管場所が離れていて、行ったり来たりを繰り返し、走る前からとっても疲れてしまった。とくに自分が苦手としている時間管理大変だった

ドラミに遅刻しそうになり、戻ってきたらすぐに予選で準備にあたふたしながらコースイン。出走台数が多く、なかなかタイムアタックに都合がよい空いた場所が見つからない。いったんピットインして再度コースイン。何とか予選2のタイムが出た。

しかし場内アナウンスで「ゼッケン165番、タワー3階へ」の呼び出し。なんとピットレーンのオーバースピード違反で、予選タイムに5秒プラスというペナルティだそうだ。速度計測ポイントが自分で思っていた場所よりも手前で、それをドラミで説明を受けたはずなのに。ああ、情けない。

5秒加算となると、決勝スタートの位置は最後尾26番目からのスタートとなる。グリッドについてみると、なんじゃこりゃ! 右カーブになっている最終コーナーの途中で、そこからは管制塔が邪魔でスタートシグナルが見えないのであった。

交差点で信号待ちしているときと同じように前のクルマが発進してから自分も出るしかない・・・と途方にくれていたら、レース仲間が管制塔の近くに陣取ってくれて「太田さん、俺がスタートシグナルを見ていて、レッドシグナルが消えたら(=スタート)手を上げて合図するよ」と申し出てくれた。

その作戦は大成功で、スタート直後に台抜くことができた。そのあとも抜いて、最終的に7位でフィニッシュ。18周のレースで19台抜いた計算となる。

それにしても、接触なくレースを終えるこができたのは、えげつないブロックがなく、みんながクリーンな走りをしてくれたことが大きい。パーティレースの参加選手はみんなジェントルマンで、気持ちのいい人たちだ、と改めて思ったのだった。

(つづく)

▽ロードスターのサーキット走行に関するその他の記事もご一緒にどうぞ
ロードスター M65クラスに「ステップアップ」!?
ロードスターNR-Aのパーティーレースでの“タイヤの慣らし方”